たみちゃんからの便り パート廿Ⅷ
昔は南安曇郡穂高町、今は安曇野市になっている。
今から60年前(私の幼少期)の話です。家が商売していて、妹がうまれ母は手いっぱい・・そこで親戚の祖父母の所へ私は預けられる事がよくあった。
私はその祖父母のいる家が大好きで犬も猫もいて、何より自然が素晴らしくその頃は住宅も少なく、道もデコボコ・・春になると裏の田んぼは蓮華草がいっぱい咲いて天気の良い日はそこに寝ころび犬の「ラビ」と遊び、その先には、白い雪をかぶった北アルプスの山並みが、雄大にそびえていた。
時折、冷たい風がほほにあたりその心地良さは今でも体感として、残っている。安曇野は本当に大好きだったし、幼少期の思い出のおかげで心の故郷を持ち、心の財産を持つことができたと感謝している。
いつも優しく接してくれた祖父母にも感謝、長女である私の唯一甘える事が出来た場所でした。
そんな中で何故か猫の「たま」だけは私が祖父母の家に着くとサッと身を翻して逃げ、私が帰るまで外の庭の木の上か、縁の下でジーと、私の動きを見ていて、絶対に家の中に入って来なかった記憶があります。
今も旅館の「チョロ丸」も小さな子供のお客様には、チョット目がきつくなり、ケージの隙間から急に猫パンチしたりして、子供をびっくりさせている。本来猫は、子供や、しつこくする人は嫌う習性があるようで、優しく、ゆったりと接し、温かい人が良い様です。
だから「たま」にとって天敵の私はまるで、「嵐」が来たとばかりに、私が帰るまで中には入らず、祖父母に甘える私にヤキモチやいて、帰るまでイライラしていたのかもしれません。・・・かな??
つ づ く